スポンサーサイト

  • 2018.11.15 Thursday

一定期間更新がないため広告を表示しています

  • 0
    • -
    • -
    • -

    先見の明

    • 2015.11.03 Tuesday
    • 01:10
    リオデジャネイロのオリンピックが迫ってきましたね。そして2020年には東京オリンピック。僕の自宅の近所には東海道新幹線が通っているんですが、その開通は、前の東京オリンピックの開幕を9日後に控えた1964年10月1日でした。

    僕はその建設時代を知っています。新興住宅街にほど近い田んぼが埋め立てられて土盛りされ、線路が敷設されました。1960年代初め、僕がやっと中学生になるころです。

    時を経て旧大蔵省に就職したのち、新幹線建設にまつわる興味深い話を知りました。国家予算を担当する主計局に配属され、財源不足の中で戸惑う僕に先輩が助言してくれました。

    「いいか、五味君。予算は、削るものじゃなくて付けるものなんだ。国の将来のために必要な予算は、要求側があきらめたって付けなければいけないんだ。優先度が低いのに相手があきらめないほかの要求をぶった切ってね。

    例を挙げよう。東海道本線がまだ全線電化もされていなかった終戦間もないころ、国鉄(今のJRですね)は、膨大な財政負担につながりかねない『夢の超特急』の建設調査費を要求してきた。常識で考えれば、まず在来線の全線電化とスピードアップが先決でしょうと言って門前払いだが、主計局の担当者は調査費を認めた。この国の復興と発展に不可欠と考えたから。

    一方で、道路にも同じ事情があった。首都高速道路の建設だ。急速なモータリゼーションに備えて、首都高の建設は新幹線以上に喫緊の課題だった。主計局の担当者は当然この要求を認めた。ただし、片側2車線に車線を削るという条件で。建設費を融資する世界銀行は、片側3車線でないと十分機能しない、2車線に削るなら融資しない、とまで言っていたのに。理由は、財源の制約。

    結果は君も知ってのとおりだ。どちらも東京オリンピックに間に合うよう開通したが、東海道新幹線はその役目を今でも見事に果たし続け、首都高速道路は開通直後から万年渋滞だ。首都高には、故障車などを引き込むための出っ張りがあるだろう。あれは、世界銀行に2車線を認めてもらうための妥協案として作られたものだ。何の役にも立っていない。予算を担当する者に先見の明を問いかける、貴重な遺物だ」

    戦後の高度成長期とは全く次元の違う社会・経済構造の変化にさらされる日本経済は、あの頃と同じ「未知のリスク」への対応を求められています。リスクは、それをとることで価値を生み出します。リスクを避けて現状維持を画策しても、この環境変化は乗り切れません。官民ともに、数十年後の世界と日本を見通した戦略を立てなければならない時代になったと思います。

     

    スポンサーサイト

    • 2018.11.15 Thursday
    • 01:10
    • 0
      • -
      • -
      • -
      コメント
      「予算は削るものじゃなくて付けるものなんだ」「予算を担当する者には先見の明が必要」、更に「未知へのリスクへの対応」など、日本の台所を預かる旧大蔵省主計局の心強いご意志を伺いました。
      将におっしゃる通りで、このことは官民を問わず数十年先を見越した見識が必要という点では全く同じです。

      「現状を見る前に先を見ろ」で、勿論予算配分に私利私欲などあってはならないことは言うまでもありません。我が国の超エリート集団だといわれている現財務省の方々にも、我が国の発展と経済の復興に持てる力を十分に発揮して頂きたいものです。しかし具体的な問題を前にして誰がこの判断をするのか、若い主計官に出来るのか、その上で腰掛の大臣などの外圧に負けないで自信を持って自己主張を通せるのか、また後日その責任を自ら取る覚悟があるのか、そこのところが一番難しい大きな問題のように思いますね。
      期待するのは個人の力でなく、十分に論議を尽くした上での上下一体、結束した組織力でしようか。


      • 柏崎一男
      • 2015/11/03 3:29 PM
      ご明察です。十分な論議と組織力、まさに旧大蔵省の持ち味でした。
      日本に金融危機を起こした金融行政の責任は、組織がとりましあ。大蔵省解体という形で。
      その後の財務省と金融庁はきちんと役目を果たしているか、注目していきます。
      • 店主の亭主
      • 2015/11/03 5:53 PM
      コメントする








          

      PR

      calendar

      S M T W T F S
        12345
      6789101112
      13141516171819
      20212223242526
      2728293031  
      << January 2019 >>

      selected entries

      archives

      recent comment

      recommend

      links

      profile

      search this site.

      others

      mobile

      qrcode

      powered

      無料ブログ作成サービス JUGEM